詩…「弔蝶の飛翔」

生と死が始まる場処は

静かなところでしょうか



血肉で塗れたところより

遠くにあるでしょうか



白百合の香りが立ち込める

部屋の空気は

過ぎし日と同じ儘で



黒衣で俯く人々の上で

魂は既に空を浮遊している



私たちは

死に触れることができない




生と死が始まる瞬間は

どんな時も美しい



神秘にただ涙を零し

誰もが世界に望まれ

善も悪も其処には無かった



誰かが消え去るときは

憎たらしいほどの青空で



罪を焼き尽くす炎さえ

夜空に咲く花の如く



私たちはいつまでも

心を映し続ける










2018年10月21日に公開した、新鮮なる新作でございます。



なんかこう、秋の季節柄かはわかりませんが、最近は割と多めに雲のない空を目にします。

夕方になると、透き通った青からピンク、オレンジへのグラデーションがとても綺麗。


たとえ胸の内でどんな黒々としたものが渦巻いていようと、

いや、寧ろそんなときに限って空は美しい。


そういう思いを含んでいたなぁと、作った後に思います。



ジャケット写真は、キノコも出てこなければ夜でもないのですが、検索していて一目惚れした写真でした。






初公開:2018年10月21日


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